大家めぐみさんの写真

臼杵市大家 めぐみさん

  • 品名:ピーマン16a
    サトイモ 6a
    サツマイモ 1.6ha

葉のイラスト

Q.就農しようと思ったきっかけについて教えてください。

就農する前は、ホームページや印刷物などの制作の仕事をしていました。

しかし、毎日パソコンに向かうデスクワークで多忙だったこともあり心身ともに体調を崩し、会社を辞めてしまったんです。そんな頃、農業をすすめられました。

「鍬(くわ)さえ持ったこともない、家庭菜園もしたことのない私が、農業などできるのだろうか?」と悩みましたが、次は体を動かせる仕事に就こうと思い農業を選びました。

大家さんが育てたピーマンの写真

Q.具体的に、どのようにして就農しましたか?また今の品目をやろうと思った決め手は?

まず「大分県立農業大学校」へ入学し、1年間農業の基礎を学んだほか、2週間ほど野津のピーマン農家へ研修に行きました。

在学中、将来どの品目をどこの地域でやっていくのかを検討するため、いろいろな市町村の農家へ見学に行きましたが、結果的に研修で訪れたことのあった野津町へ移住し、ピーマン農家として就農することを決めました。

さらに大学校卒業後は、ピーマン農家として本格的に技術と経験を積むため、野津で1年間研修へ。その後、新規就農しました。

就農先として野津を選んだ決め手は、地元の就農者の方々が最も快く私を迎え入れてくれそうだったことや、移住者も含め若手が多く活躍していること、栽培環境や設備が整っていると感じたからです。

Q.就農して大変だった点と、それをどのように解決しましたか?

一番は資金面です。就農した2年目までは、利益が上がるどころかマイナスになることもあり、かなり苦しかったです。

その原因はズバリ、私に農業経営に対する知識や情報、考え方が全くなかったから。人件費や設備費など採算をとらなかったことや、最低限の資金を準備せず就農したのも要因のひとつでした。

そこで県の方に相談したところ「おおいた農業経営塾」をすすめられ参加。農業に必要な経営の基礎やスキルを1年間みっちり学びました。仕事をしながらの通塾や勉強は、睡眠時間を削ることも多々あり、本当に大変でした。

しかし頑張った甲斐あって3年目には経営を立て直し、V字回復することができました。

大家さんが育てたピーマンの写真

Q.就農してよかったことは何ですか?

想定したとおりの収量が確保でき売上が伸びたときと、スタッフが楽しそうに仕事をしてくれている姿を見たときは、やっぱりうれしいですね。

個人的には前職の時と比べると、かなり健康的で丈夫な体になりました。日焼けは免れませんが(笑)。精神面も以前は性格的に真面目すぎて、人に嫌われたくないと気疲れしてしまうことも多かったのですが、今はあまり周囲を気にせず自分のペースで仕事ができ、楽しいです。

実は私、縁あって研修先だった農家の師匠の息子さんと、2年前に結婚。師匠が義理の父になりました。さらに現在、0歳の子どもの母としても奮闘しています。

結婚・出産は全く考えていなかったのですが、良縁に恵まれたことも喜びのひとつです。

Q.今後の展望や、就農を考える人にアドバイスお願いします!

今、福祉施設の方とも委託契約して働いてもらっています。みんな真面目に頑張ってくれているので本当にありがたいです。

今後も、障害の有無にかかわらず、スタッフが業務も給与面も、やりがいをもって働けるような農園として頑張りたいです。

また、就農を検討している女性にお伝えしたいのは、自分のライフプランや資金面、品目などもじっくり考えてから行動すること。私のように1人で就農すると決めていても、結婚や出産を経験する可能性もありますし。

そのためにも、県の専門家の方にも相談しながら、方向性を見極めることをおススメします。

清松里沙さんの写真

竹田市清松 里沙さん

  • 品名:ミニトマト 55a
    イチゴ 10a
    米 8ha

葉のイラスト

Q.就農しようと思ったきっかけや経緯を教えてください。

私は東京都の出身で、調理科の高校で食品学や栄養学などを学びその後、理系の大学に進学。就農する前は、料理教室の先生をしていました。

ある日、教室で生徒さんに料理を教えているとき、ふと「そもそも野菜ってどうやって作られているのだろう?」と、食物がつくられる仕組みを知りたいと思ったのをきっかけに、農業に興味をもつようになりました。

また結婚・出産を経て子育てをしているなかで、以前から自然に恵まれた環境で子育てがしたいと思っていたこともあり、2019年に夫の実家がある竹田市荻町へ移住。夫とともに農業を仕事にすることを決めました。

ミニトマトの世話をする清松さんの写真

Q.具体的にどのようにして就農しましたか?

夫の両親が既にミニトマトとイチゴ、米を作る農業を営んでいたため、私たちは両親のもとで農業に従事しています。
現在、夫と私はミニトマトの栽培をメインで行っています。

農業はもちろん未経験。だからこそ「行動しなくては!」と、就農してすぐに、大分県が開催していた勉強会に参加しました。勉強会では、栽培方法や座学など基礎的なことを学べました。

この勉強会に参加したことで、ミニトマトに関する作業の必要性や意味を改めて理解できました。

Q.就農してよかったことは何ですか?

私の場合は、勉強会や周囲からの教えはもちろんですが、大学時代に肥料の作り方やpHの測り方など、化学についての知識を身につけていたのもあり、ミニトマトが育つメカニズムを理解したうえで栽培をしています。

試行錯誤の日々ですが、より良い栽培方法のアイデアを考えながらミニトマトを育てることに、やりがいと面白みを感じています。

また現在、大分県内の農林水産業に関わる女性たちが勉強会や交流を行う「おおいたAFF女性ネットワーク」に加入し、役員をしています。農業をきっかけにたくさんの人とつながれていることも、この仕事を選んでよかった点です。

みんな前向きでアグレッシブな女性ばかりで、一緒にイベントや勉強会を企画、運営するのもすごく楽しいですね。

トマトスープの素の写真

Q.就農して大変なことはありますか?

やはり子育てと農業の両立は大変です。現在8歳と3歳の子どもがいますが、仕事が終わってからの家事は、かなりバタバタします。

しかし、幸い夫は子育てや家事もとても積極的にしてくれるので、家庭のことも「チーム」として分担、協力してやっています。また竹田市は保育園や病児保育などもあるのもありがたいです。

もし、子育てをしながら就農を考えている方は、子どもの急な体調不良なども想定して周囲と協力体制を整えておくことと、あとは体力をつけておくことが大切です!

Q.今後の展望について教えてください。

まずは、より美味しくて質のいいミニトマトづくりを楽しみながらこれからもやっていきたいです。

またAFFの活動を通じて、女性の生産者の認知度も上げていきたいです。

その取り組みの1つとして、竹田市内の女性トマト生産者と一緒に「トマトスープの素」を商品開発し、販売しています。地元の女性生産者が手がけた商品を通じて、女性生産者の周知につながればと思います。

今後も積極的にみんなでアイデアを出しながら、県内はもちろん、九州の生産者の人たちともつながる活動を続けていきたいです。

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